SATO YAMA UMI プロジェクト特別企画


SDGsユースサミット2019レポート

3:VOICE of YUGO NASU

VOICE of YUGO NASU

「自然の大切さを肌感覚で理解できていないもどかしさ」

−那須優悟−

■私の動機

立命館大学の理工学部都市システム工学科で、土木を専攻している3年生です。実は、僕が土木工学を専攻したきっかけは、幼稚園の頃に母親に連れられていった環境シンポジウムです。それは、「フィルピンのゴミ山での生活」がテーマだったのですが、そのときのスライドで見せられたゴミ山の写真にとても衝撃を受けました。日本の生活からは想像できなかいものでしたし、以来、それがずっと記憶に残っていて、自分の進路を決めるときに、社会のインフラから世界に貢献できることがしたいなと思い土木工学を選び、国際協力や開発についても学んできました。一方で自然環境の保護については、それが大事だということはわかっていても、肌感覚で理解できていない自分をもどかしく思っていました。そんな自分が、このまま開発に携わっていって良いのだろうかと。そんな時、今回のインターンシップをネットで知って参加したいと思ったのです。

そういう意味で自分は無知でしたので、インドネシアでは、JEEFが現地で展開されている環境教育プロジェクトに参加して自分が何を感じて、日々どう変化していくのかということを考えて取り組んでみました。例えば、現地のジャングル・トレッキングに参加したのですが、赴任した当初は単にキレイだなという印象だった自然も、1ヶ月、現地で体感的に学ぶことで違ったものに見えるようになりました。そんな私自身というフィルターを通して、プロジェクトに対して何か提言ができればと思いました。

■私の提言

「楽しいと感じるその先に、SDGsへの理解を育む」

元々、国際協力に興味があり、これまでに20カ国を旅してきました。実は、自分なりの旅の仕方がありまして、出かける前に、ある程度その国の歴史や国柄を調べるようにしています。それで実際に出かけて行って、街の様子を見たり現地の人に話しを聞いたりしながら理解を深めていくようにしています。今回、インドネシアでは、エコツーリズムの開発に携わるなかで、フィールドに何度も出させてもらったんですね。そんな体験のなかでSDGsのことが理解できたように思います。

持続可能な開発って、「社会」と「経済」と「環境」の3つのセクターで多面的に分類されますよね。「社会」や「経済」については貧困やエネルギーの問題だったりして、自分にとってなくてはならないもの、自分事として理解しやすいのですが、「環境」については、正直に言って、それがなくなったとしても、僕は痛くも痒くもないなって思っている自分に気がついてしまったんですね。じゃあ、どうしたらSDGsにおける環境の位置付けを実感できるのかなと考えるようになって、その明確な答えはまだみつかっていないのですが、今回のインターンでの体験でその手がかりは得たような気がしています。

■持続可能な発展の鍵は「雇用促進」

具体的に言うと、比較対象のためにスタディツアーで訪問した別の国立公園のアクティビティの最終日に現地のスタッフが、野生のゾウと触れ合う体験を企画してくれたのですが、その時に大きな発見があったんですね。ゾウと触れ合うということが、もう本当に、純粋に楽しかったんです。それで、この気持ちは、この自然がなければ得られないんだと気づいた。それまで、環境をどう捉えたら良いのかと悶々としていたのですが、そうか、まずは小難しいことを考えずに楽しいと思うことから生まれるものがあるんだって。まずは「環境」のことを「楽しい」と感じられないと、その先の保全や共生といった意識に繋がっていかないと思うんですね。そんな「楽しい」を育むフィールド学習こそが、環境教育のあるべき姿なのではないかと思っています。
今後、僕は新興国の経済成長に繋がる仕事がしたいと考えているのですが、社会の発展や人々が豊かになるための鍵は「雇用促進」だと思っています。雇用を生むと一言で言っても、環境のことや経済のこと、ソーシャルビジネスなど、そのアクションプランはとても多岐に亘る事業です。そんな多面性のなかで様々な人たちがそれぞれに活動していくなかで、私自身は多角的な視点を持ってサポートする仕事をしていきたい。そういう意味で、今回のインターンで、環境というテーマにどっぷり浸かって人と話し、物事を体験したことは、とても貴重な時間だったと思っています。

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